「シエラにつつまれて」その4
2025.01.20
「シエラにつつまれて」~駅そばとお守りの配給~
大人の夏休みイベント「E.Z.O(札幌)」ではフライフィッシングの達人たちも集まっていたので、わたしは釣りに行きたくてしょうがなかった。だがすぐに福井に戻ってアメリカの準備をしなくては行けなかったので、イベント翌日には飛行機で帰福してとりあえず出社。
インスタグラムを開くと、一緒にイベントに出店していた方々の釣果が続々アップされる。
インスタグラムで「会社にはいません」記事を書かなきゃいけないのに、ディスプレイを直視できない。今からもっとおもしろいことがおきそうなのにこんな気持ちになるのも不思議なことだ。
そんな葛藤がありながら、ふと思ったことがある。
「今回のアメリカは仕事とはいえ旅である。いや、旅とはいえ仕事である。」
そんなこと深くは考えてはいなかったが、このそわそわ感はサラリーマンの宿命だろう。
私はいつもアルプスや旅行にいくとき、地図はもちろんだが道中の名所の写真を片っ端から見て、なにが起きそうかイメージする。必要な予習といえば予習だ。もちろん出合い頭のことは楽しみにしているが、景色を楽しめるところや写真スポットはある程度調べてからいく現代っ子だ。もちろんディスプレイ越しの写真より目の前に広がる景色の方が100倍感動するのだが、この予習がいつもちょっともったいないことをしている気がしていた。
今回のJMTトリップでは地図や交通機関などはもちろんしっかり下調べをしたが、“あえて”現地の雰囲気のわかる写真や風景写真は見ずに「出会ったものを素直に楽しむ」をこっそりテーマにしていた。普段はアソコのココに行きたい!とか、ココで写真を絶対撮る!とか思うのだが、そういう知識を頭に入れず良くも悪くもナチュラルな気持ちで楽しんでみたかった。
そっちの方が、トレイルや街で過ごすeverythingが尊いものになりそうな気がしませんか?
みなさんはどうでしょうか?
そんなどうでもいい私の気持ちは置いておいて、部屋に広げておいたギアたちをパッキングリストと照らし合わせながらパッキング。新調したザックはギアをどんどん吸い込んでいく。忘れ物はないか気にしだしたら止まらないので、早めの就寝。
今回の旅は結果として怪我無く帰ってこれたのだが、これはムネピチカ氏のおかげだろう。なぜかというと、電車に乗る直前に駅そばを食べながら「旅のお守り」を配給してくれたのだ。少し浮ついていた私たちにとっては非常にありがたく、まぁ大丈夫だろうという気持ちになれた。トレイル上でも非常に心強かった気がする。ありがとうムネピチカ。
そんなありがたい気持ちを胸に、とりあえず裏日本から表日本へ。
そして、電車の中で英会話の本を読み切るのだ。
text by タカハシ サタヤ