「シエラにつつまれて」その2
2024.12.20
「シエラにつつまれて」~戸惑いと不安のはざまで~
「Youたち 行っちゃいなよ」
「んじゃ、行っちゃう?」
そんな一言で決まった気がするこのトリップ。
そんな一言を言われてから、アメリカで何ができるんだろうってイメージしながら、なんだかふわふわした日々を過ごしていた。
そして、なんとなくやんわりお盆休み周辺でアメリカ行っちゃう?ってな感じでふわふわと話が進んでいった。
なにもかもがふわふわした感じで大丈夫かなぁと思いながらも…
それからはJMTに行ったことのある友人に話しを聞いたり、東京出張があればハイカーズデポに通ったりして決めなきゃいけないことをひとつひとつ探して、ひとつひとつ決めていった。
行ったことのない土地でしかも違う国、遊び方はそこまで変わらないのだろうがなんだか不安で、暇があれば何度も何度も地図をひろげてイメージしながら、トレーニングのためにたくさんの荷物を背負って走って山に行き釣りに明け暮れた。
気付けばシエラネバダでは何が釣れるのかしか調べてなかったし、似たようなタイミングでJMTにいくスケッチさんには釣りの相談しかしてなかったような…
そして私が心ここにあらずのとき、事件がおきた。
今回のトリップは「お仕事」でもあるためボスと二人で行くことになっている。
そのトリップパートナーであるボスの腰が悲鳴をあげたのだ。
トレーニングとストレス発散のため薪割をしていたようだが、重い丸太を動かしたときにグキリ(?)とのこと。
元々腰が弱くたまにやっちゃうらしいが、今回は絶妙なタイミングでやっちゃったみたい。
普通なら上司のアクシデントに「大丈夫ですか?」と伝えるはずが、心ここにあらずの私は「マジでかんべんしてくさいよ」とやさしく伝えた気がする(たぶんそうは言ってないはず)。
もともと日程が短くスルーハイクはできないので、距離は長くても短くてもどちらでもいいのだが、できれば心配事はひとつでも潰して元気で楽しく長く歩きたかったから。
後日、東京出張ついでにハイカーズデポに相談に行ったときのこと。
このトリップのきっかけを作った勝俣氏からは、
「二人には優雅な旅をしてほしい!朝起きて昼までだらだら景色を楽しんで、歩いて疲れたら昼寝して、キャンプして寝る。という旅」
と、笑顔で言われていた。ただそう言いつつも地図上で毎日20マイル(約30kmほど)は歩かせる日程を提案してきた。ここもいきましょう!あそこもいきましょう!ここなんかダラダラするにはすばらしいところです!
そのあと土屋氏に不安を打ち明けた。
「どうせ全部歩けないんだからルートに固執せず、できることやしたいことを楽しんだら?体調に不安があるなら拠点を作って別々に歩いたっていいじゃない。」
その言葉にはかなり救われた。
ルートに固執していた私は、不安そうな顔をするボスに腰回りのトレーニングを強要していたが、それをやめて大幅なルート変更を行った。私自身表面上は強がっていたが、そんなに歩けるはずないと思っていたので、ほどよいところまで距離を減らした。
楽しむことが大事なのだから。
勝俣氏からは戸惑いを、
土屋氏からは柔軟な考えを、
いただきました。
悩みがあるときに相談できるお店があるのは非常に嬉しいことですね。
旅の悩み事はぜひハイカーズデポさんへ相談してみてください。
text by タカハシ サタヤ