FLOAT 開発秘話

この度は「FLOAT」ウェブサイトにご訪問いただきありがとうございます。突然ですが、みなさんは老眼鏡にどんなイメージをお持ちでしょうか?あまり良い印象をお持ちの方は少ないように思います。実際に悩んでいる方に話を聞いてみると、「老眼って格好わるい」「知られるのが恥ずかしい」そういう気持ちをお持ちの方がすごく多い事に私自身驚きました。同じようにサングラスにおいても「恥ずかしい」という方が実は今でもすごく多いのです。掛けたくないメガネを掛けたくするには、キレイな視界を届けるには、これらを解決することが私を動かす原動力になっています。

リーディングから生まれたFLOAT

今では逆に思われることもありますが、FLOATは元々リーディンググラス(老眼鏡)から始まりました。
リーディンググラスを必要とする方はこれまでずっと視力が良く、メガネを必要としてこなかった方達です。慣れていない方がメガネを身に着けたときに感じること、それは違和感です。顔の上にメガネが張り付けられ、頭部も挟まれ、初めての方は必ず煩わしい思いをします。そこで、メガネに慣れていない方でも掛けやすいメガネを作れないかというのが開発の発端でした。違和感なく掛けられるようにメガネ自体を軽くすること、締め付けのない掛け心地にすること、鼻に載せたときに痛くない事、先ずは機能面からアプローチしました。そして、機能同等、もしくはそれ以上に大事なこととして、身に着けたくなるデザインにすることも大きな課題でした。
2013年にスタートしたFLOATですが、その当時なかなかオシャレな老眼鏡があまりなかったように思います。それは、人一倍オシャレに気を使う身近な父がお世辞にも格好いいとは言えない老眼鏡を掛けていることで気付きました。また、愛着が持てないせいか老眼鏡をすぐに失くしてしまう。ユーザーの方ならきっと思い当たると思うのですが、ビックリするぐらい老眼鏡って探しますよね。失くさない老眼鏡をつくれないか?というのもまた課題となりました。そんないくつもの課題を解決してくれたのが、金属丁番を使わない丁番一体型の樹脂テンプルです。ヒンジ(丁番)とつる(テンプル)が一体化された機構で軽量性と柔軟性を兼ね備えています。フレームとテンプルの接合が簡単なので着せ替えができたり、ホールド性をあげるために腕を長くしたことで、メガネを首に掛ける事ができるという画期的なアイデアも副産物として付け加えることができました。ヒンジレス(丁番がない)機構は腕が閉じづらいのが難点ですが、テンプル中央にマグネットを配置することで大きく広がる腕を折りたたむことができ、それを利用してメガネを壁に飾ることもできます。オシャレで、長時間かけても疲れない、そして失くさないリーディンググラスが誕生しました。
軽く浮いたような掛け心地と、失くさないようベースマグネットにメガネをセットした時にメガネが浮いたように見える事から「FLOAT」と命名しました。

なぜアウトドアサングラス?

リーディングを発表して程なくした頃、アウトドアを趣味としていたW君がこのメガネでサングラスを作りたいとレンズを入れ替えたことがありました、そして、「FLOATは軽いし、アウトドアに絶対いい!」と言うのです。もともとサングラスを生業としてきた会社なので、リーディングが軌道に乗ったら作りたいなと考えてはいましたが、その一言が開発スピードを早めたことは間違いありません。
アウトドア業界をみたときリーディングと同じような現象があることに気付きました。アウトドア活動において、本来サングラスは紫外線から眼を守るため必需品であるのに、その着用率が非常に低かったのです。リーディングと同じ理由がそこにもありました。サングラスを掛けたことがないので「似合わない」「なんか恥ずかしい」「掛けていると痛いから」と、最初からサングラスを敬遠してしまっていたのです。

視界をクリアにする偏光サングラス

偏光サングラスを身に着けたほうが裸眼よりもキレイに見えるよ、と言われたら皆さんどうでしょう。偏光サングラスは釣りをする方達には広く認知されているのですが、ほとんどの方にはまだまだ知られていません。私自身、長年ファッション用のサングラスを企画してきましたが偏光=釣り用、といった考えで見向きもしていなかったぐらいです。
海面だけでなく、自然界のほとんどの場面において乱反射光は存在します。偏光レンズを掛けると余計な乱反射光が取り除かれ、クリアな視界が得られるのです。分かりやすいよう私たちは「光のろ過装置」と呼ぶようにしました。コーヒーを淹れる際の紙フィルターを想像してみてください、あの紙フィルターは余計な雑味や油分まで取り除きおいしいコーヒーだけを通します。それと同じような事を偏光レンズはしてくれます。文章で説明してもなかなか理解できないのが偏光サングラスでして、ぜひ一度取扱店で試してみて欲しいです。振り返れば、私の恩人とも言える某アウトドアショップのH氏の要望がきっかけでFLOAT偏光サングラスは生まれました。ハイカー(登山者)専門店で最初は偏光機能のないサングラスを販売していましたが、H氏と共に作った偏光サングラスは驚くほど多くの人に求められました。そこから全商品を偏光レンズに切り替えFLOAT OUTDOORの躍進が始まったように思います。

もったいない日本人

日本の方は周りの目を気にしすぎたり、同調傾向が強いと言われます。海外の方達はリーディンググラスもサングラスもためらうことなく当たり前に身に着けます。周りの目なんか何も気にしません。何よりも機能や実利を優先していると思います。五感の中で視覚の割合は80%以上をも占め、人は先ず視覚から物事を判断します。視界がクリアになることは人生が変わると言っても過言ではありません。身に着ければもっとキレイに見えるのに、使わないのはもったいないとしか言いようがありません。

リーディンググラスは老けて見られるから掛けたくないという方へ
オシャレで使いやすいメガネを作りました。自分らしい一本を見つけてください。見えないことを我慢していても何も良いことはありません。作業効率は遅くなるし、眼精疲労、頭痛や肩こりに繋がります。食事でもキレイに見えた方が絶対においしいですよね。
老眼鏡を使うと度数の進行が早くなるというのは誤った認識ですのでご安心下さい。
我慢を重ねて、急に強い度数から使い始めると頭がクラクラしたりと、慣れるまでに時間が掛かります。早い段階から使われた方がそのような心配がございません。

サングラスは似合わないから掛けたくないという方へ
美しい自然を見過ごしていませんか、裸眼よりキレイな視界が待っています。似合う形が見つかるよう色んな形を準備しています。
「眼は剥き出しの臓器」と言われるのをご存じでしょうか?肌に日焼け止めを塗るように、眼はサングラスで守ってください。登山で高所に行けば行くほど紫外線は強くなります。紫外線対策しないと後に白内障、そして老眼を早めます。眼の水晶体の硬化が老眼の原因です、紫外線がその大きな要因となります。

冒頭で述べたように、キレイな視界を皆さんに届けたい、そのためにはメガネを掛ける事への抵抗を小さくすることが命題です。これからもそのお手伝いができるよう努めて参ります。

アルファ株式会社

代表取締役

瓜生 顕士